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DXに向けた取り組み ~1Dシミュレーションの活用 中編~

単体発熱(前回) → 複数発熱(今回)

前回からMBD(1Dシミュレーション)活用にあたり、非常に重要な1Dモデリングについてお話ししていますが、今回はその続きです。

前回は8個の抵抗器を並べた簡易基板のうち、1つの抵抗器のみ発熱する条件で実測結果と1Dシミュレーションの結果を比較しましたが、今回は複数発熱するモデルを作成し実測結果と比較していきます。

 

1Dモデル作りで重要なこと

前回ご説明した通り、1Dモデルの基本的な作りかたは、

    (1) イメージ図などを使って伝熱経路を明確にする(図に矢印などを書き込む程度で良い)
    (2) 熱回路網を書き出す(手書きでOK)
    (3) シミュレーションツールを使って1Dモデリング

この3ステップです。

早速、この手順に沿って各発熱部品と発熱部品の間を基板でつなぐようにモデル化します。

 

この1Dモデルを用いた計算を実行して、実測結果と比較すると・・・

 

Q.1Dシミュレーションは”合う”のか? A.簡単には”合わない”

ご覧のように実測結果との乖離が大きい(1Dシミュレーションのほうが温度が高い)ことがわかります。ただし発熱部品が一つの場合ではここまで乖離は大きくありませんでした
何故でしょうか?

乖離の要因は発熱部品同士をこの1Dモデルでは正しく表現できていないためと考えられます。実際には発熱部品間の基板において熱は面方向に拡がっていきますが、今回作成したこの1Dモデルでは発熱部品間の基板を流れている熱量(HeatFlow)が非常に小さい結果となっています。(つまり熱が拡がっていない)

 

これは発熱部品間の基板のつなぎ方が良くない(=正しく1Dモデルで表現できていない)ためです。この1Dモデルをよく見てみると発熱部品間の基板(熱抵抗)と基板からの熱伝達(及び輻射)が並列につながれています。基本的に熱は熱抵抗の小さいほうに流れていきますので、熱伝達(及び輻射)側へ流れてしまい、発熱部品間の基板へは熱が流れず熱を拡げることができなくなっています。

 

複数発熱部品を正しく表現するためには?

ここまで、複数発熱する場合の1Dシミュレーション結果と実測結果が乖離してしまう要因についてお話してきました。では、複数部品発熱する場合においてどのように1Dモデル化すれば良いのか?それは最終回となる次回でお話しさせていただきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 


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